2010年1月24日日曜日

素人の目


ーなんかうんざりだね、小沢さんの問題は。
ーめいっちゃうよな。
ー検察の捜査もマスコミ報道も虚偽記載の4億円の中に
 ゼネコンのお金が入ってたかどうかが焦点になってるけど
 仮に小沢さんの話を全部信じたとしても、やっぱり腑に落ちない
 部分が残るよね。
ーそうだよ、素人の常識からするとありえない、って思うところが
 いろいろあるよ。
ー最大のクエスチョンは何で政治団体が土地を買うのかってとこだよ。
 しかも陸山会は問題の深沢の土地以外にいろいろ不動産を
 持ってるそうじゃないか。
ー深沢の土地は秘書の宿舎を建てるつもりだったと説明されてるね。
 封建制じゃあるまいし、何億もかけてわざわざ秘書を囲い込む
 宿舎を作るって感覚はちょっと異常だよ。
 しかも個人で作るならまだしも、政党助成金だってもらってる
 政治団体として作るっていうんだから、オイオイ違うだろ!って
 言いたくなるよね。
ー結局この土地はあんまり活用されてないみたいだし、フツーの人が
 この説明は真実ではないって感じるのも当たり前だよ。
 こんな子どもだましの説明になるのは、実はこの土地は目的が
 あって買ったんじゃなくて、買うという行為そのものが
 目的だったんだって思われても仕方ないんじゃないか。
ー小沢さんの政治改革にかける思いは本当だったと思うけど
 崇高な目的のために使うカネは白いカネでも黒いカネでも
 いいカネだと思っているフシがあるよな。
ー国民のキズは深いよ。オレたちの政治に明日はないって気分が
 蔓延しちゃってるじゃないか。

2010年1月11日月曜日

持続する力


ー「持続する力」ってはやりの本のタイトルみたいだけど?
ー今朝のサントリーの新聞広告見た?
ーああ、伊集院静さんの「20歳の君に送るメッセージ」広告でしょ。
 毎年恒例になってるわね。
ー成人の日だけじゃなくて、年度始まりにも「新入社員の君へ」
 ってメッセージ広告出してるよ。毎回今度はどんなこと
 言うんだろうって、ちょっと楽しみにしている。
ー広告会社がコピー考えてるんじゃなくて、伊集院さん自身が
 目の前の新成人に何を言えばいいだろうって、一生懸命考えてる
 気配があって印象的だわね。
ー今朝のメッセージは伊集院さんも随分丸くなったなぁ〜、って
 感じだったけどね。でもすごいのはサントリーって会社は
 このメッセージを大昔から出し続けてるってことなんだ。
 調べてみると、この年2回のメッセージ広告は1978年が最初
 だったらしい。
ーええっ、じゃ30年以上続いているってこと?
ー当初は山口瞳氏が毎回書いていたけど、95年に氏が亡くなって
 伊集院さんに引き継がれたんだ。どこの会社でも1回、2回
 思いつきでこういうメッセージ広告出すことあるかもしれないけど
 30年以上続けてるってのは他に例がないんじゃないかな。
ー経営者がそれだけ強い思いを持ち続けてきたってことよね。
ーお酒を醸すにはとても長い時間がかかる、それと同じで文化を
 醸すにもとても長い時間がかかる。でもそうして醸された文化の
 中で初めてお酒も生きるんだって、それはもう一貫した考えだね。
ーお酒も文化も時間っていう酵母が必要ってことね。
ーだから例えば他に先駆けて日本にサントリーホールという音楽専用
 ホールを作ったのもすごいけど、20何年という歳月をかけて世界
 屈指の名ホールに育てあげたのはもっとすごい。これを一企業で
 やったのだから国民栄誉賞を差し上げてもいいくらいだと思うよ。
ーそういえばサントリーのCMは大原麗子さん「長〜く愛して」の
 レッドといい、もっくん、宮沢りえの伊右衛門といいシリーズで
 長く続くのが多いわね。
ー記憶に残るCMがすごく多いね。でも統合相手のキリンに何か記憶に
 残るCMがある?統合して普通の会社になっちゃわないか心配だよ。

番外編:この記事を書きながらサントリーが缶ビールを発売したころ
    松田聖子唄によるペンギンのCMがすごく好きだったのを
    思い出しました。ビールは不味かったけどこのCMが好きだった
    のでガマンしてサントリービールを飲んでました。
    その後和久井映見さんの「モルツ、モルツ」の何代目かで
    突然旨くなり、今や「プレミアムモルツ」は味の絶対値では
    日本一のビールでないでしょうか。
    そのCMを永ちゃん父娘がやっているのはある意味感無量です。
    YouTubeにあったペンギンCM、よければご覧ください。

2010年1月1日金曜日

カミさま、仏さま



ーおめでとう!
ー昨日、NHKの「ゆく年、くる年」
 見ていてエエッ?って思うことが
 あったわよ。
ーどうしたんだ?
ー画面には石造りの鳥居が出ているん
 だけどアナウンスは「愛知県妙厳寺
 です」って言ってるのよ。
 「お寺に鳥居はないよ」って
 思ったわけ。
ーそしたら?
ーそのすぐ後で「一般には豊川稲荷として知られています。」
 って言うのよ。お稲荷さんは神社だよね。
 でもここではお稲荷さんはお寺なんだよ。おかしかない。
ー江戸時代まではお寺と神社は一緒だったからね。今でもお寺の中に
 神社の祠があることが多いだろ。その類いじゃないの。
ーちょっと違うのよ。ここは正真正銘お寺=稲荷なのよ。
ーもともと日本のカミさま、仏さまは大らかだったからね。
 もとからあったカミさまに外来の仏さまを合体させて
 一緒に信仰するなんて文化はヨソにはないんじゃないか。
ーそうなの?
ーそのカミさまだって、日本がまだ国を成す前、大小の氏族がみんな
 自分たちのカミさま奉じて抗争してただろ。
 ヨソの文化だったら天皇家のもと国が統一されたときに、今後
 信仰の対象は伊勢のカミさまだけ、ほかのカミさまは禁止となっても
 おかしくなかったと思うんだよね。
ー伊勢神宮は皇室の氏神さまだからね。
ーところがほかのカミさまも相変わらず信仰の対象として残り
 それどころか次次新しいカミさまも生まれ、あげくウチのカミさま
 にはこの仏さまってムコどのを選ぶみたいに仏さまと合体
 させちゃったんだから、こんなに大らかな話はないよね。
ー確かに西洋の厳格な一神教からするとこんな宗教ありえないよね。
ー明治維新は西洋の眼をすごく意識してたから、これは恥ずかしかった
 んだと思う。徹底して廃仏毀釈やっただろ。
ーこのとき破壊された仏さまも一杯あったんでしょ。
ーでも今考えれば、カミさまに対するこの大らかさが
 日本人の生活をすごく伸びやかなものにしてきたんじゃないかな。
 むしろこれからは他の宗教がこの大らかさを学ぶときだと思うよ。
ーお正月は神社に初詣、結婚式は教会でっていうのも捨てたもんじゃ
 ないわけね。
 
写真は元日の朝撮ったウチの庭の万両です。