2011年7月17日日曜日

祇園祭と貞観地震


ー今日は京都、祇園祭の山鉾巡行やったね。
ーえらい暑かったやろな。
ーそういえば祇園祭の起源について面白い記事が載ってたよ。
 なんでも平安時代の貞観地震と関係があったんやて。
ー貞観地震って、今度の震災で話題になったよね。
 あんな大津波は貞観地震まで遡らんとなかったことで
 しかも古文書ひっくり返してやっとわかるようなことやから
 福一で大津波を想定してなかったとしても、それは仕方のない
 ことやいう理由づけしてたね。
ーそらぼくらも貞観地震なんて知らんかったけど、遠く離れた
 都で大掛かりな祭りの起源になるほど当時は国家の一大事
 やったはずで、国の史書にも惨状が詳しく書かれてるらしい。
 古文書をひっくり返さんとわからへんようなもんとちごて
 ちょっと歴史を勉強した人やったらみんな知ってる
 出来事とちごたんかな。
ー結局知りとうないことは知ろうとせんかったちゅうことやろ。
 全電源喪失の危険性かて、考えとうないことは考えようと
 せんかった。
 危ない可能性はもともと想定外になってるから、原発は
 とても安全で経済的なもんになってた。
ー昔の人は地震とか疫病とか自然の災厄が起きると、何か
 のたたりや考えてその怒りを鎮めようと一生懸命おはらいとか
 したわけやろ。そんな行為を迷信やいうて笑うのは簡単やけど
 自然を畏怖する気持ち、その前で敬虔になる気持ち、人間も
 その一部やいう謙虚な気持ちは取り戻さんとあかんの
 ちゃうかなぁ。

2011年7月4日月曜日

神の領域


ー今度の原発事故がなければ一生考えずにすましていたことを
 にわか勉強をしてるよ。
ー何なの?
ー原発ってどこからエネルギーを引っぱり出してるか知ってる?
ー核分裂によって生じるエネルギーじゃないの?
ー簡単に言っちゃうとそうだけと、煎じ詰めるとウラン235という
 原子を核分裂反応させたときに生じるエネルギーなんだよね。
ーでもどうして核分裂でエネルギーが生まれるのかしら?
ーそれがとってもキモいとこなんだよ。ウラン235が核分裂すると
 他の原子に変わったり、中性子が飛び出たりする。
 そして奇妙なことに分裂前の原子の質量と分裂後生成した原子や
 中性子の質量の総量を比べると分裂後の質量の総量のほうが
 分裂前より小さいというんだ。
ーアレ、質量不変の法則とかそういうのなかったっけ?
 物体が様々に形を変えても、質量の総量は変わらないって。
ーアインシュタインの相対性理論で理論的に証明されてること
 らしいんだけど、それは実は質量・エネルギー不変というべき
 ものらしい。
 ウラン235の場合分裂して減じた質量はエネルギーに姿を変えたって
 わけだ。質量がエネルギーに姿を変えるとき、それは莫大な
 エネルギー量になるらしいんだよね。
ー何だか空恐ろしい話だわね。
 で、問題になっている放射能はどこから出てくるの?
ーこれは核分裂して違う原子になるとき、必然的にα線とγ線とか
 中性子線とか、そういう放射線を発する物質が出来るってこと
 みたいなんだ。
ー核分裂させた以上避けようがないわけね。
ー核分裂って理論や数式の上では確かにあり得ることで、実際
 これを利用してエネルギーを取り出してるわけだけど、
 でも自然のノーマルな状態の中では起こらないことだよね。
 通常ではあり得ない異常な環境を無理に作らないと起こりえない。
 これって多分宇宙の生成と関係しているような、生命とは全く
 相容れない異様な環境なんだよ。
 こういう環境を人間自らの手で作り出すというのは、生命としての
 摂理に反しているとしか思えないけどね。
ーそうね、生き物というのは自分の身に危険が迫ると五感でそれを
 察知できるようになっているものでしょ。
 生命に危害が迫っていても、それを全く感じられないような
 ものとはどう考えたって共存できないわね。