2011年11月13日日曜日

色泥棒


ー東京駅の丸の内北口地下通路の壁面に俳句の短冊がたくさん展示
 してあって気にもとめず通り過ぎてたんだけど…
ーなんだったの?
ー「地球人の心プロジェクト」というのの一環で、被災地の
 女川町立第一中学校の子どもたち211人に今年5月に書いて
 もらった俳句だった。
 これを来年、国際宇宙ステーション「きぼう」に打ち上げ
 保管するんだそうだ。
ーどんな俳句があったの?
ー例えばこんな句があった。「色泥棒」と表題してあって
 <黒い波に飲まれて消える町の色>
ーそれまでは色にあふれた美しい町だったんでしょうね。
 黒い波が一瞬にして町から色を奪っていった…
 胸をつかれるわね。
ーそよ風が海を渡っていく気持ちいい町だったんだ。
 <晴れの日は海がキラキラ宝石箱>
 <そよそよと風に吹かれてなびく海>
ーその海がたくさんの人のいのちを飲んでいってしまった…
ーそう、
 <勉強中君と笑ったあの時間>
 <会いたいな君を思って泣いた夜>
 <あたたかさその日が最後思い出す>
 <しゃぼん玉大空とんだあの人たちと>
ーつらいわね。
ーでも子どもたちはやっぱりこの町を愛してるんだ。
 <愛してたきれいな町並また見たい>
 <いつの日か再び会えるあの町に>
 きっと色にあふれた町を取り戻してくれると思う。
 <将来は小さな子供に今を伝える>
 <辛くてもあの人のために一歩ずつ>

付け足し:展示してあるのは東京駅前オアゾと新丸ビルを
  結んでいる地下通路です。
  いつまで展示されるのかわかりませんが(HPによると展示期間
  はとうの昔に終了!?)、機会があれば是非ご覧になって
  みてください。