2011年3月6日日曜日

蔡國華展@日本橋高島屋

                   旅人ーTake a Breakー
蔡國華展が日本橋高島屋で開催されます。
 ● 3月9日(水)〜 15日(火)
 ● 日本橋高島屋6階美術画廊
 ● 午前10時 〜 午後8時 (最終日午後4時まで)

以下展覧会案内状より抜粋
ー作家が心の中を旅するように描いたモチーフは人物・風景・静物
 など、限定されることなく多岐に渡ります。
 その中でも人物は様々な状況や場面で垣間見せる表情を力強い
 筆致で捉え、寂寥感や哀愁の中にもどこかユーモラスな温かみをも
 表現し、観る者に人生という長い旅の一瞬をふと感じさせます。

是非ご覧ください!

2011年2月27日日曜日

命をつなぐ音

ークライストチャーチの地震で消息不明の人たち、一人でも多く
 助かってほしいわね。
ー生き埋めになったとき、どうして自分の居場所を知らせるか
 ぼくらも常日頃から考えておくべきかもね。
 笛をいつも持ち歩いているという人もいるよ。
ー自分でじゃないけど、がれきの中からケータイの呼び出し音が
 かすかに聞こえ、その音を手がかりに救い出された人もいたわよ。
ーケータイの呼び出し音って、普通のときはほとんどノイズだけど
 この場合、かけた相手のあらゆる思いが込められた音だよね。
 安否のわからない不安、ひょっとしたらっていう絶望感、いや
 今に明るい声が返ってくるに違いないっていう希望、そして
 鳴り続けていることが何かのシグナルになるかもしれないという
 祈るような気持ち、そんなはりさけそうな気持ちが全部
 そこに込められている、切迫した悲しい響きの音だよ。
ー悲しいかもしれないけど、それは人と人をつなぐこの世の
 根源的な音なんじゃない。これこそ音楽の一番初めの本質的な
 音だって気がするよ。
 

2011年2月13日日曜日

ホワイト革命

ーエジプトのムバラク大統領がついに辞任したわね。
ーデモ隊同士の衝突はあったけど軍は一貫して民衆に銃口を向ける
 ようなことはなかったし流血の事態は避けられた。
 だから今度の政変劇はホワイト革命とも呼ばれているね。
ー民衆が大規模に集まってデモ・集会をするのにfacebookやtwitterが
 大きな威力を発揮したことも画期的だったって言われてるわね。
ーこの政変劇があってわずか数時間後にオバマが演説をしてるけど
 久しぶりにオバマの面目躍如たる演説だったね。
ーどんなことを言ってるの?
ー人々の自発的な行動によって、非暴力で平和裡に革命が
 成し遂げられたのはキング牧師やガンジーがなしたこと、ベルリンの
 壁崩壊を導き出した力と響き合う、デモクラシーの神髄を示す
 ものだってね。
ーテロとの戦いの正当性を強調するための我田引水じゃないの。
ーもちろんその側面はあるけど、歴史的な位置づけの中で、
 デモクラシーは非暴力によって実現されてこそ、その正当性を獲得
 できるんだっていう明確なメッセージが発信されてるじゃないか。
 エジプトで起こったことは自分たちの核心的価値と結びついている。
 つまり人ごとじゃないということを明確に言っている。
ーリーダーが明確なメッセージを発するから国民は遠い国の出来事と
 自分たちの関係を考えることができるってことね。
 そんなメッセージが発せられることのない国では、さあ次はどこで
 革命が起こるかってマスコミが煽って、まるでショーを見てる
 感じだもんね。

2011年1月15日土曜日

タイガーマスクの贈り物


ー日本各地で伊達直人を名乗って新入生にランドセルが
 届けられてるって話題になってるね。
ー暗い話ばかり多い中で、久しぶりに心がぽっと明るくなる話だわね。
ータイガーマスクってぼくらの世代のヒーローだったから、贈り主は
 5〜60代の人が多いんじゃないかな。
ー自分の名を明かさずに、人知れず贈るなんて日本人らしい謙遜の
 美徳を感じるわね。
ー最初に伊達直人を名乗って贈った人の善意は本物だと思うけど、
 そのあとの展開はなんかひっかかるんだよね。
 無条件にはやし立てて喜んでていいのかなぁ、って。
ーあら、ひねくれてるわね。マスコミの報道を通じて善意の輪が
 大きくなっていくんだから喜ばしいことじゃない。
ー素直に喜んでればいいのかもしれないけど、基本的に寄付とかは
 自分の思い、目的があって、それを相手にちゃんと名乗って
 伝えてこそ、相手も寄付された意味を正しく理解できるし、自分も
 自分の寄付が正しく使われているかに責任を持とう、って気持ちに
 なるもんだよ。お互いに意味がわかって納得できあえれば
 これは継続してやって行こうってことにもなるしね。
ー難しいこというわね。そんな大げさなことじゃなくて、みんな
 ちょっといいことしたいだけなんだからそれでいいじゃない。
ーもちろんそれはそれでいい。ただこれが素晴らしいことだって
 あんまりはやし立てるのはどうかって思うんだ。
 匿名で自分の責任を問われないところでムードに乗っかっちゃって
 動く心理が強くなってしまうと、あらぬ方向にあれよあれよと
 流されちゃうんじゃないかと怖いじゃないか。

2011年1月2日日曜日

未来への手紙


アンジェラ•アキさんが紅白歌合戦で歌った「輝く人」、この歌は
一昨年彼女が紅白で歌った「手紙〜15の君へ〜」の続編だと
紹介されていました。

”今 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ歩けばいいの”
こうして歩き続けた人だけが「輝く人」になるんだよ、と
励ましてくれているのだと思います。

今年元旦の毎日新聞に驚くべきうれしい記事が掲載されました。
アウンサンスーチーさんの「ビルマからの手紙」連載が再開
されるというのです。

記事によれば「ビルマからの手紙」は1995年11月〜96年12月まで
52回連載された後中断、97年1月に再開され16回連載された後
再び98年6月に中断されました。

その後長い自宅軟禁の時を経て、昨年11月にスーチーさんは
解放され、まさかと思えた「手紙」の寄稿が再開されることに
なったのです。こんなに嬉しいことはありません。

90年代に連載された「手紙」は、私にとって他のどんな記事
よりも記憶に残る連載記事でした。
中心のトピックは彼女と、彼女を中心に結成された
「国民民主連盟」の政治的活動に関することですが
その政治的主張を声高にイデオローグの立場から言い立てる
のではなく、生活者として常に民衆の視線から政治が
語られていたのが印象的でした。

「手紙」にはいつも人々の日常生活のちょっとしたいざこざや
喜びごとがユーモアを持って描かれ、ビルマの人たちの
生活が極く身近に感じられたものです。
「手紙」に描かれたビルマの水掛け祭りのはじけるような
楽しさや、仏教に対する敬虔な思いは忘れがたい美しい印象を
残しています。

彼女がユーモアに溢れ、静かに寛容に民衆の生活に寄り添う
形で、たゆまずひるまずぶれずビルマの民主化を発信し続けた
からこそ、世界は彼女を支援しつづけたのだと思います。

自分を信じ、今自分のできることを精一杯やる、それが未来を
開いていく道であることを、彼女の手紙は教えてくれます。

残念ながら、再開された「手紙」の日本語訳は新聞でしか
読めませんが、オリジナル(英語)はこちらに掲載されています。

スーチーさんが、「亡き夫がこよなく愛し、色あせない英知として
私も胸にしまっている」と言って紹介している詩を最後に引用
させていただきます。

 昨日はただの夢であり
 明日は予感にすぎない
 今日をしっかり生きたらば
 昨日という日は理想となり
 明日という日に希望を開く
 だから今日と精いっぱい向き合おう

   インドの詩人カーリダーサ作「暁への讃歌」より

2010年12月5日日曜日

赤い鳥


ー赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い、赤い実を食べた
 って歌があるけど、赤い実を食べたって赤い鳥にはならないよな。
ーつまんないこと言わないで!
 今の季節、赤い実をつける木が多いから、鳥たちが集まって
 ついばんでると、赤く染まってるように見えるじゃない。
ー確かにこの季節、赤い実をつけてる木が目につくね。
 家の庭でも南天と万両が赤い実をたくさんつけてるよ。
ーサンザシに赤い実がたわわについてるのはゴージャスだし
 葉が落ちたハナミズキに赤い実が残ってるのも風情があるわね。
 それにクリスマスとなれば、なんといってもヒイラギだし。
ー実が赤いのはやっぱり鳥の目につきやすくするためかな。
 鳥に食べてもらって、種を遠くに運んでもらうっていう。
ーそうでしょうね。でも実を赤くすれば目立って鳥が食べて
 くれるって、赤い実の木が考えたわけじゃなくて、
 何億年もかけた命の営みの中で、赤い実と鳥の相互連関が
 出来上がってきたわけでしょ。
 生命の連なりの不思議を思えば、赤い実を食べて赤い鳥に
 なったって歌いたくもなるんじゃない。
 

2010年11月23日火曜日

春を待つ


ー今日やっと春の花の球根を植え込んだよ。
ー何を植えたの?
ー赤いチューリップ、空色と黄色のアイリス、それにアネモネと
 フリージア。
ーなかなか彩りが豊かだわね。
ープランターに土を作り、肥料を混ぜ込んで球根を置いていき
 土をかぶせる。
 今は何もない土だけのプランターだけど、そんな作業をしていると
 そこに色どり豊かな花が咲いているのが想像できるんだ。
 今は何も見えないけど、これから寒さの中で芽を出し、初々しい
 緑の中に花芽を見つけ、そして春の陽光の中で花開く。
 その移ろいを思い浮かべるだけで浮き浮きした楽しい気分に
 なれるんだ。
ーそうよねぇ。今は何も見えなくてもそこに何かが育ってるって
 信じられれば希望が持てるよねぇ。
 今の政治は何も見えないし何かが育ってるって気配も感じられない。
 嫌気がさすのも無理ないよね。

2010年11月14日日曜日

厳戒都市 ヨコハマ


ー13日、14日って横浜都心の警備はすごかったよ。
ー空にはずいぶん高いところを、ヘリが何機も旋回したり
 ホバリングしてたりして、うるさかったわね。
 あれは、突っ込んでくる航空機がないか監視してたのかな。
ーJRの駅では一ヶ月ほど前から警官がホームとか改札とか
 巡回してたけど、横浜駅のお巡りさんは「岐阜県警」の
 ジャケットを着てたね。
ーAPECが始まると、お巡りさんも配置換えされたのか、横浜駅は
 山梨県警と滋賀県警に変わってたわよ。
ー山下公園周辺は愛知県警と秋田県警のテリトリーみたいだった。
 ランドマークプラザは熊本県警の警官が陣取ってたしね。
ー日本全国ほぼすべての県警から動員されてたから、各県警
 テリトリーマップが作れたんじゃないかしら。
ーお巡りさんだけじゃないよ。警察車両だってあらゆるタイプの
 車が日本じゅうから集まって、警察車両見本市って感じ
 だったからね。目抜き通りはあちこちに赤色灯をくるくる
 回した車が配置されて、映画のシーン見てるようだった。
ーAPECの期間一週間だから我慢できるけど、いつもこんなじゃ
 息がつまっちゃうよ。
ー日本全国からこれだけ動員かけて、完璧に役割分担して
 整然と警備するって、ものすごい組織力がないと出来ないことだよ。
ー今まで議論ばかりして生きてきた人たちが、いきなりこれだけの
 組織を動かせるかって、それは無理なんじゃないかしら。
ー官僚の統治能力が確固としたものでないと、いくら政治主導って
 言ったって絵に描いた餅でしかないね。

2010年10月31日日曜日

諸聖人の国


ー今年はハロウィンの仮装行列も台風で散々だったみたいだね。
ー楽しみにしていたのにがっかりの人も多かったみたい。
ーでもハロウィンって、いつの間に日本の年中行事として
 こんなに定着しちゃったんだろ。
 しかも本来の宗教的意味なんかどこ吹く風だから
 眉ひそめる人もいるよね。
ー堅いこと言わなくてもいいんじゃない。
 本場でも宗教的にどうのこうのって言うより、お祭りの
 ノリなんだから。クリスマスにしたってバレンタインに
 したって暮らしに彩りを加えるアクセントだって考えれば
 いいのよ。
ー考えてみれば、古代日本では仏教は金ぴかの舶来宗教だった
 のに、いつのまにか普段の生活に根付いて土着の宗教みたいに
 なってる。一方で古来の神道もそのままに信じられてきてる。
 その後もいろんな宗教の神さまが入ってきたけど、政治的に
 弾圧されたのを別にすれば大体大らかに受け入れられてきた。
 日本人にとっていろんな神さまはご近所のいろんな隣人と
 一緒なんだよ。いろんな神さまと一緒に暮らしていて
 違和感がない。
 これぞ先進の社会生活モデルと言ってもいいんじゃないかな。
 世界中の人がこんな感覚で暮らしてれば、世の中ずいぶん
 平和になると思うよ。

2010年10月11日月曜日

指揮者の手


ー金井画廊で今開催されている個展に、蔡さんは
 "Conductor"という作品を出品してるわね。
ーいつもジャズプレイヤーを描いた作品は出品しているけれど、
 クラシックの指揮者を描いた作品は初めてじゃないかな。
ー日本でも人気が高い、ポーランドの長老指揮者がモデル
 だって聞いたけど。
ー音に集中している顔の表情と、早いタッチで描かれた体の
 背景から浮かび上がった指揮棒と手が印象的だね。
ー特に指のダイナミックな動きが生き生き描かれているのが
 魅力的じゃない。
ー流麗な動きの一瞬を捉えた指先から、律動感溢れる音が
 次々聞こえてきそうだね。
 楽興の時がこの一枚に見事に表現されていると思うよ。