
―展覧会の紹介じゃないよ。
小春日和の穏やかな一日、どこへ
行くのがいい?、って聞かれたら
ぼくなら正倉院展行って、そのあと
東大寺の三月堂に行くのがいいな。
―なんか、しんきくさそうだけど。
どこがいいの?
―正倉院展は午前中行くと絶対並ぶけど
公園の中だし、鹿とたわむれながら
並んでいるのも気持ちがいい。
―そんなの得点にならない。
―中に入っても人でごったがえしてて、ベルトコンベア式に見ないと
いけないけどね。
―全然よくないじゃない。
―でも1300年前だよ。それまで掘建て小屋しか見たことのない
人たちの前に、いきなりぴかぴかの大仏様が現れ、どこにあるのか
わからない国から伝わった、目もくらむいろいろなものを
一生懸命まねして作ろうとしている姿を想像すると、なんか心が
熱くなるんだよね。若い国の息吹っていうか、力がわいてくるよ。
―ロマンチストねぇ〜。
三月堂はどうなの。
―ここは日が傾いて西日が差し込むころ行くのがオススメだよ。
ほの暗いお堂の中で、あれだけの仏さまを間近に拝める場所は
ほかにないと思う。不思議に人もそんなに来ないし
正倉院展で熱くなった心を鎮めて、静かに仏さまと話のできる
最高の場所だよ。
そうだ、地元の小学生が案内してるサイトがあったので見てみて。
小学生はあまり仏さまに興味ないみたいだけどね。
―私も仏さまより、きれいな景色のほうがうれしいかも。
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