2009年9月28日月曜日

クール・ジャパン


ー民主党政権になってどの大臣も自分の頭で考えたことをしゃべって
 いるから、内容の当否はさておき、その大臣が何を考えどうしようと
 しているかはよくわかるね。
 大臣が官僚のペーパーを見て意味不明のことをしゃべっていた自民党
 時代と比べ、これだけで随分風通しがよくなったと思わないか。
ー直接関係ないけど、鳩山首相の幸夫人の言動もユニークでいろいろ
 物議をかもしてるわね。
ー言動だけじゃなくてファッションについてもあれやこれや随分
 言われてるね。確かに外遊出発時のチューリップみたいなスカート
 なんか目立ってたもんな。
ーあれはコシノヒロコさんデザインのバルーンスカートなんだよ。
 裾の絞りが舞台衣装みたいで優雅じゃない。
 彼女はもちろん日本人デザイナーのものを着るっていう意識が
 あったでしょうけど、それ以前に自分はこれを着たいから着るんだ!
 って気っぷのよさが感じられるじゃない。なかなかいかしてるわよ。
ー王朝の昔から装いに関しては、日本はいつも世界の最先端
 だったからね。そういう意味じゃファッションデザインは
 クールジャパンの象徴だよ。
 これからは業界の人だけじゃなくて、国のリーダーたちも
 どんどん日本のファッションデザインに身をつつんで
 一皮むけた日本文化を世界の人に見せてほしいね。
 

2009年9月23日水曜日

彼岸花



ー庭の鉢植えの彼岸花が
 咲いたよ。
ーきれいに咲いたね。
ー不思議に思うんだけど
 彼岸花って、どの年でも
 ちゃんとお彼岸のときに
 咲くんだ。
 それに複数株あっても
 みんなほぼ同時に咲くんだよ。
ーだから彼岸花っていうんじゃない。
 群生して一斉に咲くのは見事よね。日高の巾着田とか有名じゃない。
ーそれって不思議じゃないか?
 で、調べてみたら彼岸花は種子で増えることができないんだって。
 どの株もさかのぼれば、中国から伝わったたった一球の球根に
 行き着くそうだ。
ー種で増えることができないって、確かソメイヨシノもそうだったね。
ーそう、どちらの花もみんな同じDNAを持っているんだ。
ーだから同じ場所の花は、一斉に咲いて一斉に散るのね。
ー日本人は一斉に咲いて一斉に散るって好きだからな。
 どこか妖しく、狂おしい気持ちにさせるものがあるんだね。

2009年9月13日日曜日

大地の芸術祭


ー新潟の越後妻有の里で開かれていた「大地の芸術祭」も今日で
 閉幕だね。
ー何、それ?
ー十日町、津南町周辺の街や里山を舞台に3年に一度開かれる
 アートの祭典なんだ。今回は約370の作品が広大な地域の
 あちこちに点在している。世界のあちこちから著名な
 アーティストも参加してるんだよ。
ー370も作品があるんだったら、とても見て回れないじゃない。
ー全部見ることないんだ。ガイドブックをパラパラ見て
 気に入ったものを順に尋ねていけばいいんだ。
 自分好みのアート巡礼の旅を作ればいいんだよ。
 地図を広げ、作品の場所をポイントし、どう回るか
 あれこれプランを練るだけでも楽しいよ。
ー一カ所にまとめて作品を展示してあったほうが、見るのも
 見やすいし、他の作品と見比べることが出来るから
 いいんじゃないのかな。
ーこの芸術祭の醍醐味は単に作品そのものを鑑賞することじゃ
 ないんだ。この地域の人たちは太古の昔から、畑をつくり
 田をつくり、山を切り開いて見事な棚田をつくり、深い雪
 に閉じ込められる冬は糸を紡いで織物を織ってきた。
 そうして綿々と続いてきた長い時間のなかで、どの人にも
 どの家にも、どの集落にも豊かな物語が紡がれてきた。
 でも今や過疎の現実の中でそうした物語を紡いできた
 コミュニティーは風前の灯火になっている。
 そんなところに多くのアーティストが入ってきて、
 それぞれがそれぞれの物語にインスピレーションを受けて
 その物語を世界の人が普遍的な形で感じられるような
 ものに作り替えてるんだ。
 アートは物語の発信装置で、主人公は妻有の里を豊かに
 色どって来た物語そのものなんだよ。
ーなんだか難しいわね。
ー妻有の里では地域が崩壊して物語が消滅する寸前にこの
 フェスティバルが始まって物語はつなぎとめられたけど
 今や日本の街や里からどれだけの勢いで物語が消えつつ
 あるかを考えると、何かとりかえしのつかないことが
 起こってる気がする。
 それに誰よりも物語を必要としているのは、実は都会の
 根無し草のぼくたち自身だからね。
 論より証拠、今回は「大地の芸術祭秋版」をやるそうだから
 行ってみたら。
ー「物語」なんて言ったってわたしはよくわからないけど
 秋は空気も食べ物もおいしそうだから、行ってみたいな。

わたしの「妻有アート巡礼の旅」写真はこちらをどうぞ。
大地の芸術祭_09