2011年2月27日日曜日

命をつなぐ音

ークライストチャーチの地震で消息不明の人たち、一人でも多く
 助かってほしいわね。
ー生き埋めになったとき、どうして自分の居場所を知らせるか
 ぼくらも常日頃から考えておくべきかもね。
 笛をいつも持ち歩いているという人もいるよ。
ー自分でじゃないけど、がれきの中からケータイの呼び出し音が
 かすかに聞こえ、その音を手がかりに救い出された人もいたわよ。
ーケータイの呼び出し音って、普通のときはほとんどノイズだけど
 この場合、かけた相手のあらゆる思いが込められた音だよね。
 安否のわからない不安、ひょっとしたらっていう絶望感、いや
 今に明るい声が返ってくるに違いないっていう希望、そして
 鳴り続けていることが何かのシグナルになるかもしれないという
 祈るような気持ち、そんなはりさけそうな気持ちが全部
 そこに込められている、切迫した悲しい響きの音だよ。
ー悲しいかもしれないけど、それは人と人をつなぐこの世の
 根源的な音なんじゃない。これこそ音楽の一番初めの本質的な
 音だって気がするよ。
 

2011年2月13日日曜日

ホワイト革命

ーエジプトのムバラク大統領がついに辞任したわね。
ーデモ隊同士の衝突はあったけど軍は一貫して民衆に銃口を向ける
 ようなことはなかったし流血の事態は避けられた。
 だから今度の政変劇はホワイト革命とも呼ばれているね。
ー民衆が大規模に集まってデモ・集会をするのにfacebookやtwitterが
 大きな威力を発揮したことも画期的だったって言われてるわね。
ーこの政変劇があってわずか数時間後にオバマが演説をしてるけど
 久しぶりにオバマの面目躍如たる演説だったね。
ーどんなことを言ってるの?
ー人々の自発的な行動によって、非暴力で平和裡に革命が
 成し遂げられたのはキング牧師やガンジーがなしたこと、ベルリンの
 壁崩壊を導き出した力と響き合う、デモクラシーの神髄を示す
 ものだってね。
ーテロとの戦いの正当性を強調するための我田引水じゃないの。
ーもちろんその側面はあるけど、歴史的な位置づけの中で、
 デモクラシーは非暴力によって実現されてこそ、その正当性を獲得
 できるんだっていう明確なメッセージが発信されてるじゃないか。
 エジプトで起こったことは自分たちの核心的価値と結びついている。
 つまり人ごとじゃないということを明確に言っている。
ーリーダーが明確なメッセージを発するから国民は遠い国の出来事と
 自分たちの関係を考えることができるってことね。
 そんなメッセージが発せられることのない国では、さあ次はどこで
 革命が起こるかってマスコミが煽って、まるでショーを見てる
 感じだもんね。