
—経団連が社会貢献活動で
「1%クラブ」ってのを作ってて
それにならってぼくも「一人1%クラブ」を実践してるんだ。
—説明してくれなきゃ訳分かんないよ。
—経団連のクラブは利益の1%を社会貢献活動に支出しようと
いうんだけれど、ぼくは年収の1%を寄付することを
自分ルールにしてるんだ。
—それがどうして「夢」なの?
—若い時は、将来にいろんな夢を持ってるじゃないか。
政治家になって社会をよくしたいとか、人を楽しませる芸術家に
なりたいとか、お年寄りが生きがいをもって暮らせるお手伝いが
したいとか、貧しい国の子どもたちの力になりたいとか…
—それで?
—働き出すとそれは文字通り「夢」でどっかに忘れてしまうもん
だけど、自分の代わりにその夢を実践しようとしている人に
1%を投資するんだよ。
—もう少し具体的に言ってくれない?
—まずそのためにいくら使うか決める。例えば年収500万円とすると
5万円はそのために使うと決めるんだ。
次にそれをどう使うか、投資先と配分を決める。
例えば政治に興味があるんだったら、自分が共鳴できる政治家に
2万円献金する、それから養護施設に2万円、美術館に1万円とか
決めるんだ。今はネット上で豊富に情報が手に入るから、その中から
自分の夢に近いのを探すんだ。
—なんだか面倒くさそうだけど。
—1%だけ自分と違う人生を生きられると考えれば、あれこれ探すのも
楽しくて面倒なんて気分は吹き飛んじゃうよ。
—でも後で裏切られるということもあるんじゃないの?
—そこが大事なところなんだ。なけなしの自分のお金を使うんだから
その先の活動はしっかりチェックする。活動報告書をしっかり読み
ネットで活動状況を確認する。言いたい事があれば意見を伝える。
そのことで自分も参加している気になれるし相手だって鍛えられる。
自分のお金は自分の使いたいことにちゃんと使われているか
毎年しっかりフォローするんだよ。
—なるほど、自分のお金が自分の夢に役立っていると思えば
それはうれしいことだよね。