ー先日、靖国神社にお参りしてついでに遊就館も見てきたよ。
ー遊就館って明治以降、日本が行ってきた戦争にまつわる資料が
展示されているところでしょう。戦争を批判する立場の人たち
からは評判の悪い施設よね。
ー確かに時々の戦争で華々しい戦果をあげた将兵たちの武勇伝が
大々的に語られているし、武器も爆撃機、人間魚雷から銃弾に
いたるまで一杯展示してある。過去の日本軍がいかに勇敢
だったか、そこにがすごく強調されて展示されてるからね。
ー何が一番印象的だったの?
ー太平洋戦争のところまでは、戦争を美化するような内容も
あって違和感を感じる部分もあったけど、太平洋戦争の
ところでは兵士が実際に使っていた飯ごうやヘルメット
そういう身近な遺品が展示してあって、戦場での毎日を
想像すると胸つまるものがあった。
ー生きるか死ぬかの戦場でも、生き続けるための日常は
しのいでいくしかないんだものね。
ーそれからやはりいろんな人の遺書、特に特攻隊員の遺書
を読んでると、こみあげてくるものを感じるよ。
でもなんといっても圧巻はこの戦争で亡くなった、
何千(何万?)という人たちの小さな顔写真がパネルにはって
展示されてあるんだ。もうあまり多くの数の小さな写真だから
何も見ず通過してしまいそうになるけど、でもよく見てみると
ほとんどがまだいたいけないといってもいいくらいの若者で
みんなそれぞれ、まじめくさったり、はにかんだり、もう様々
だけどとってもいい顔をしてるんだよ。
恋人と語らったり、家族団らんでくつろいだり、ひとりひとり
にその人だけに用意された未来があったはずなのに、そんな
何万もの未来を一網打尽に奪ってしまった…
あったはずの未来に対して、ぼくらは写真の顔ひとりひとりに
「ごめんなさい」って頭を下げて回らないといけないんじゃ
ないのかな。
2 件のコメント:
九段の角にある昭和館も行かれましたか?あそこもいいですよ。私はこれまで機会を作って沖縄の海軍壕、知覧、太刀洗などを見てきました。靖国の森の奥深くとか、明治神宮の森とかには何か霊を感じます。A級戦犯合祀が悔やまれますが、明日一日遅れの追悼訪問を行ってきます。
情報ありがとうございます。昭和館のことは知りませんでした。
今度行ってみたいと思います。
沖縄も実は一度も行ったことがありません。
戦争を知識としてだけでなく、自分の体験として感じられる機会を積み重ねていくことことが大事ですね。
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