2011年3月21日月曜日

蔡さんへの手紙

                 いのち ー蔡國華ー
蔡さん

ご心配いただきありがとうございます。
こちらは元気でやっています。

大変な一週間が終わり、3日間のお休みでほっと一息ついています。
この一週間は毎朝5時に起き6時に家を出て、夕方はいつ停電に
なるかわからないので急いで帰り、夜は11時前に就寝。
すっかり早寝早起きに体がなじんできました。
生活改善のきっかけになるかもしれませんね。
計画停電で真っ暗な帰り道、夜空には見たこともないような
星空が光っていました。
どんなに悲惨な出来事のなかにも、少しはいいこともあるものです。

世界の人が原発の事故を心配しています。
ぼくらも心配です。事態が悪化したときどういうことが起こるのか
分からないからです。
そんななかで知り合いが一つの情報を送ってくれました。
アメリカの原子力専門家の福島原発事故の解析結果です。
以下送られて来た文を引用します。

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「福島原子力発電所の解析が既にアメリカではされています」

知人から情報をもらいました。ご参考まで
高エネ研・理研・東工大などの研究者仲間で翻訳されています。
ひとことでいえば、カリフォルニア大学サンタバーバラ校Benn 
Monreal教授が、根拠を示して、恐れすぎないように様にという
趣旨です。
これを持って、心配している人達のために、街角紙芝居に出かけ
てはどうかと呼びかけています。
> 福島原発の放射能を理解する
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上のURLをクリックし、現れたページの「翻訳された講演スライドの
ダウンロード」をクリックして、スライドを見てください。
もちろん英語版がオリジナルなのでそちらのほうが分かりやすいかも
しれません。
いずれにしても説明は専門的で理解は難しいですが、結論は
最悪の状況になっても避難範囲外の人は過度に心配することは
ないということです。

むしろあまりにも原発事故対応にエネルギーが費やされてしまって
被災され避難されている何万の人たちに救援の手が行き届かない
ことこそが最大の問題です。
せっかく助かった命をさらに失わせないようにするため、ぼくたちは
最大の努力をしないといけないのに、悲しいかな、何をしたら
いいのかよくわからないのです。
でも、ぼくたちが普段どおりの日常生活を淡々と回していくことこそ
ある意味最大のサポートになると考えています。

回りの人で心配されている人がいたら、アメリカの学者のレポートを
見せてあげて、心配することは何もないと言ってあげてください。

原発事故は今も危機的状況にあることは変わりありませんが
少しずつコントロール可能な方向に事態が動き出しているように
感じます。
いずれにしてもこれからの一週間がターニングポイントになると
思います。
是非みなさんで日本のために祈ってください。
それがきっと力になると信じています。

何、すぐにまたみんなで笑い合える時がきますよ。
それを信じて今はそれぞれの場所でベストを尽くしましょう。
どうかお元気で!

桂川正克

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

蔡さんの展覧会結局いけずじまいでした。
蔡さんはいったん上海に帰られたのでしょうか?昨日私の若い中国人の女性から子供をつれて瀋陽にしばらく帰るというメールが来ました。原発には楽観も悲観もしていないのですが、やはりこれからの日本の行く末を考えると、日本人の品性への信頼は揺らぎもしませんが、政治家のそれにはまったく信頼が置けないので、そういう意味では国外逃避したくなりますね。

匿名 さんのコメント...

蔡さんはお国にいったん戻られたのですか?
最近私の中国人の若い友人も赤子を連れていったん瀋陽に戻るということでした。相変わらず深刻な原発の状態ですが、私は「現場」の頑張りに期待しています。政治家やマスコミは信頼できませんが。一人ひとりの日本人のなかにある矜持みたいなものに、信頼をおきたいと考えています。