2010年1月1日金曜日

カミさま、仏さま



ーおめでとう!
ー昨日、NHKの「ゆく年、くる年」
 見ていてエエッ?って思うことが
 あったわよ。
ーどうしたんだ?
ー画面には石造りの鳥居が出ているん
 だけどアナウンスは「愛知県妙厳寺
 です」って言ってるのよ。
 「お寺に鳥居はないよ」って
 思ったわけ。
ーそしたら?
ーそのすぐ後で「一般には豊川稲荷として知られています。」
 って言うのよ。お稲荷さんは神社だよね。
 でもここではお稲荷さんはお寺なんだよ。おかしかない。
ー江戸時代まではお寺と神社は一緒だったからね。今でもお寺の中に
 神社の祠があることが多いだろ。その類いじゃないの。
ーちょっと違うのよ。ここは正真正銘お寺=稲荷なのよ。
ーもともと日本のカミさま、仏さまは大らかだったからね。
 もとからあったカミさまに外来の仏さまを合体させて
 一緒に信仰するなんて文化はヨソにはないんじゃないか。
ーそうなの?
ーそのカミさまだって、日本がまだ国を成す前、大小の氏族がみんな
 自分たちのカミさま奉じて抗争してただろ。
 ヨソの文化だったら天皇家のもと国が統一されたときに、今後
 信仰の対象は伊勢のカミさまだけ、ほかのカミさまは禁止となっても
 おかしくなかったと思うんだよね。
ー伊勢神宮は皇室の氏神さまだからね。
ーところがほかのカミさまも相変わらず信仰の対象として残り
 それどころか次次新しいカミさまも生まれ、あげくウチのカミさま
 にはこの仏さまってムコどのを選ぶみたいに仏さまと合体
 させちゃったんだから、こんなに大らかな話はないよね。
ー確かに西洋の厳格な一神教からするとこんな宗教ありえないよね。
ー明治維新は西洋の眼をすごく意識してたから、これは恥ずかしかった
 んだと思う。徹底して廃仏毀釈やっただろ。
ーこのとき破壊された仏さまも一杯あったんでしょ。
ーでも今考えれば、カミさまに対するこの大らかさが
 日本人の生活をすごく伸びやかなものにしてきたんじゃないかな。
 むしろこれからは他の宗教がこの大らかさを学ぶときだと思うよ。
ーお正月は神社に初詣、結婚式は教会でっていうのも捨てたもんじゃ
 ないわけね。
 
写真は元日の朝撮ったウチの庭の万両です。
 

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