ー京都に暮らした人間にとって、今は心浮き立つ時期だよ。
ーもうじき祇園祭ですもんね。
ーもうじきってもう始まってるよ。一般には17日の山鉾巡行が
有名だけど、7月1ヶ月かけて、祇園社の神様を町中に
お迎えして、災厄封じするためのお祭りだからね。
ーじゃ山鉾巡行以外のときは何をするの。
ー細かなこと言い出すときりないけど、ちょうど今頃鉾建てが
始まって街が祭りの舞台に一変し、宵々山から宵山と
お囃子が街中響き渡って、もう雰囲気も人出もピークだね。
ーやっぱり豪華絢爛な山鉾は見事だし魅力あるよね。
ーそれもあるけどすごいのはこのお祭りが平安時代から
応仁の乱(!)の中断をはさんで一千年以上続いているって
ことだよ。それにもっとすごいのはこれだけのお祭りが
基本的に「民」、町衆の力だけで支えられてきたんだよ。
ー朝廷とか幕府とか、「公」権力からは自立していたのね。
ー京都の街中の各町内が、自分たちコミュニティーの
シンボルとして鉾、山を作り、趣向をこらし、各町内
競うようにしてもり立ててきた。
ーその伝統が一千年以上受け継がれてるってことよね。
すごいことだわね。
ー宵々山、宵山には各町内のこども達が道行く人に
「ろうそく一丁献じられましょう」って、わらべ歌を
唄ってろうそくを売るんだけどね。考えてみれば
これだけ長いあいだ、町衆一人一人が自分たちで
献じられる精一杯のろうそくを、自分たちの
コミュニティーに献じてきたから、これだけの
お祭りが残ったんだと思うな。
ろうそくを売るこども達のわらべ歌です。
2 件のコメント:
初めて聴きました。素朴で、子供の遊び歌みたいにも聴こえますね。今は博多の祇園山笠の報道が多いように思いますが、京都の祇園もなのですね。徹夜踊りで有名な岐阜の郡上八幡の踊りももう始まっていますし。確か青森の恐山で24日には夏の大礼があるように記憶しています。観光のために作られた底の浅い祭りではなく、民衆の伝統が感じられる祭りを訪ねて行きたいですね。風の盆もそうですが、かなり変化しているところが多いとは思うのですが。
そうなんです、「ろうそく一丁献じられましょう」の唄は祇園祭の宵宮のときに聴かれます。私は大阪万博のときに京都で仕事をしていて、その年は万博があるということで宵宮が特別に2日ありました。とても懐かしい唄で、その歌詞をようやく思い出しました。
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