2011年6月6日月曜日

「歓び」を感じる心


大震災から今まで、多くの人が心打つ言葉を話されてきました。
今日はそれらの中から、私が感動し是非書き残して記憶に留めて
おきたいと感じたスピーチを2つ紹介させていただきます。

最初は私の出身大学の現学長でロシア文学者(ドストエフスキー作品の
新訳が話題になりました)亀山郁夫先生の大学入学式式辞です。
同窓会報に掲載されたその一部を引用させていただきます:

<今年3月、私たちの日本は、もはや決して忘れることのできない災厄
を経験しました。状況は今もって予断を許さないところにあります。
この、未曾有の事態をまのあたりにして、私たちはいま呆然とし、
自信を失い、将来にたいして強い不安を感じています。
私自身も、つよい無力感にとらえれました。
しかしその一方、「生きてここにある」ということのかけがえのない
意味に目覚め、「生きてある」という事実そのものが、ひとつの
恩寵であり、ひとつの奇跡であるといった感慨を抱いた人々も
少なくないはずです。ただし、人間の生命は、それ自体では決して
「恩寵」にも「奇跡」にもなりえないものだと思います。
深く豊かに「歓び」を感じる心を持ってこそ、生命は真の価値を
放つ、と私は信じています。
また、「歓び」を経験できる心がなければ、私たちの傍らで傷つき、
苦しむ人たちとともに苦しむ、「共苦」の精神も生まれないはずです。
そしていま私たちに残されている責務とは、「忘れない」という
態度です。それは、個々人にとっての決意であると同時に務めであり、
試練でもあると思います。>

「生命の真の価値を放つ」「歓び」の心はどこから沸き起こって
くるか、それは次のスピーチがヒントをくれると思います。
楽天の主将、嶋選手のKスタ宮城開幕試合でのスピーチです。



「誰かのために闘う人間は強い。」
そして「誰かのために闘う人間」にこそ「生命の真の価値を放つ」
「歓び」は開かれている。今は強くそう思うのです。

0 件のコメント: