2011年7月4日月曜日

神の領域


ー今度の原発事故がなければ一生考えずにすましていたことを
 にわか勉強をしてるよ。
ー何なの?
ー原発ってどこからエネルギーを引っぱり出してるか知ってる?
ー核分裂によって生じるエネルギーじゃないの?
ー簡単に言っちゃうとそうだけと、煎じ詰めるとウラン235という
 原子を核分裂反応させたときに生じるエネルギーなんだよね。
ーでもどうして核分裂でエネルギーが生まれるのかしら?
ーそれがとってもキモいとこなんだよ。ウラン235が核分裂すると
 他の原子に変わったり、中性子が飛び出たりする。
 そして奇妙なことに分裂前の原子の質量と分裂後生成した原子や
 中性子の質量の総量を比べると分裂後の質量の総量のほうが
 分裂前より小さいというんだ。
ーアレ、質量不変の法則とかそういうのなかったっけ?
 物体が様々に形を変えても、質量の総量は変わらないって。
ーアインシュタインの相対性理論で理論的に証明されてること
 らしいんだけど、それは実は質量・エネルギー不変というべき
 ものらしい。
 ウラン235の場合分裂して減じた質量はエネルギーに姿を変えたって
 わけだ。質量がエネルギーに姿を変えるとき、それは莫大な
 エネルギー量になるらしいんだよね。
ー何だか空恐ろしい話だわね。
 で、問題になっている放射能はどこから出てくるの?
ーこれは核分裂して違う原子になるとき、必然的にα線とγ線とか
 中性子線とか、そういう放射線を発する物質が出来るってこと
 みたいなんだ。
ー核分裂させた以上避けようがないわけね。
ー核分裂って理論や数式の上では確かにあり得ることで、実際
 これを利用してエネルギーを取り出してるわけだけど、
 でも自然のノーマルな状態の中では起こらないことだよね。
 通常ではあり得ない異常な環境を無理に作らないと起こりえない。
 これって多分宇宙の生成と関係しているような、生命とは全く
 相容れない異様な環境なんだよ。
 こういう環境を人間自らの手で作り出すというのは、生命としての
 摂理に反しているとしか思えないけどね。
ーそうね、生き物というのは自分の身に危険が迫ると五感でそれを
 察知できるようになっているものでしょ。
 生命に危害が迫っていても、それを全く感じられないような
 ものとはどう考えたって共存できないわね。

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