2009年3月3日火曜日

エルサレム奇譚—後日談—


—村上春樹さんのエルサレム賞授賞式記念講演の全訳
 毎日新聞に掲載されたわね。
—イスラエル批判っていう報道が先行して、一体講演の真意は
 どこにあったんだろうって思ってたけど、講演全体を読むと
 クリアだね。
—そうね、それぞれが独自性を持った個人の尊厳に対する
 信仰告白ってことにつきるわね。
—これは彼の作品に一貫して流れるテーマだから、彼の読者には
 違和感なく受け入れられる話だね。
 エルサレム賞の選考委員も、それを前提で授賞しているはずだから
 目の前でこの講演を聴いても、そんなに驚かなかったと思うよ。
—でも彼は壁と闘えるペンという武器を持っているからいいけれど
 何も持たない私たちはどうすればいいのかしら?
—う〜ん、ってうなってしまうけど、でも政治っていう「壁」に
 対して、ぼくたちがこれに立ち向かえる数少ないチャンスは
 やっぱり選挙だよね。
 普段からよくよく政治の動き、政治家の言動を見極めて、考えて
 考えて投票しないと、結局痛い目にあうのは自分たちだって
 今度という今度ほど身にしみたことはないからね。

 (オリジナルの英文原稿はこちら→ Part1, Part2

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

凍った雪の朝かと思ったらそうではなかったので安心しました。毎日の和訳見てやはりと思いました。そして今回の政治資金の事件です。いよいよ選挙が近いですね。心して投票しないと。そういえば、早春の花に黄色が多いのは虫達に見つけ易いようにそう進化したとかの記事を読みました。もっとも人間の目から見て「黄色は目立つ」と言っても「虫達」は「黄色」だからと見ていないかもしれないという注釈付きでしたが。「事件」の見方もいろいろ有り得ますね。

Kat-chan さんのコメント...

あの政治資金の事件は、プロ小沢、プロ民主党の立場の人からはどうしたって国策捜査に見えるでしょうね、その内容とタイミングにおいて。
日本の政治に対するため息は深くなるばかりです。
麻生さんが風は我にあり、と勘違いしてすぐ解散してくれるといいんですけど。