2010年1月11日月曜日

持続する力


ー「持続する力」ってはやりの本のタイトルみたいだけど?
ー今朝のサントリーの新聞広告見た?
ーああ、伊集院静さんの「20歳の君に送るメッセージ」広告でしょ。
 毎年恒例になってるわね。
ー成人の日だけじゃなくて、年度始まりにも「新入社員の君へ」
 ってメッセージ広告出してるよ。毎回今度はどんなこと
 言うんだろうって、ちょっと楽しみにしている。
ー広告会社がコピー考えてるんじゃなくて、伊集院さん自身が
 目の前の新成人に何を言えばいいだろうって、一生懸命考えてる
 気配があって印象的だわね。
ー今朝のメッセージは伊集院さんも随分丸くなったなぁ〜、って
 感じだったけどね。でもすごいのはサントリーって会社は
 このメッセージを大昔から出し続けてるってことなんだ。
 調べてみると、この年2回のメッセージ広告は1978年が最初
 だったらしい。
ーええっ、じゃ30年以上続いているってこと?
ー当初は山口瞳氏が毎回書いていたけど、95年に氏が亡くなって
 伊集院さんに引き継がれたんだ。どこの会社でも1回、2回
 思いつきでこういうメッセージ広告出すことあるかもしれないけど
 30年以上続けてるってのは他に例がないんじゃないかな。
ー経営者がそれだけ強い思いを持ち続けてきたってことよね。
ーお酒を醸すにはとても長い時間がかかる、それと同じで文化を
 醸すにもとても長い時間がかかる。でもそうして醸された文化の
 中で初めてお酒も生きるんだって、それはもう一貫した考えだね。
ーお酒も文化も時間っていう酵母が必要ってことね。
ーだから例えば他に先駆けて日本にサントリーホールという音楽専用
 ホールを作ったのもすごいけど、20何年という歳月をかけて世界
 屈指の名ホールに育てあげたのはもっとすごい。これを一企業で
 やったのだから国民栄誉賞を差し上げてもいいくらいだと思うよ。
ーそういえばサントリーのCMは大原麗子さん「長〜く愛して」の
 レッドといい、もっくん、宮沢りえの伊右衛門といいシリーズで
 長く続くのが多いわね。
ー記憶に残るCMがすごく多いね。でも統合相手のキリンに何か記憶に
 残るCMがある?統合して普通の会社になっちゃわないか心配だよ。

番外編:この記事を書きながらサントリーが缶ビールを発売したころ
    松田聖子唄によるペンギンのCMがすごく好きだったのを
    思い出しました。ビールは不味かったけどこのCMが好きだった
    のでガマンしてサントリービールを飲んでました。
    その後和久井映見さんの「モルツ、モルツ」の何代目かで
    突然旨くなり、今や「プレミアムモルツ」は味の絶対値では
    日本一のビールでないでしょうか。
    そのCMを永ちゃん父娘がやっているのはある意味感無量です。
    YouTubeにあったペンギンCM、よければご覧ください。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

非上場のサントリーだからできてきたことが、できなくなる可能性は高いですよね?文化も相当違うような気もしますし。文化っていうのは資本主義とか市場とかを達観したところでないと続いていかない感じもありますからね。ダイヤモンド印は何をやってきたのか即座には浮かびませんね、確かに。それと残念なのは、最近、絵とか陶器とか地域の貢献をしてきた金融機関ほど統合の憂き目にあっている実態もありますしね。もっとも日本の地域金融機関は無尽から出発したものが多く、それらは地域の素封家が出自だから貢献できたという背景もあるんですが。注目しましょう!統合会社に。