2010年5月23日日曜日

青もみじ


ー今の季節、若葉が鮮やかで目にしみるね。
ー5月の青空の下で若葉がそよいでいるのは、誰が見たって
 美しいって感じる景色だもの。
ーぼくは特に青もみじが好きだな。風の中で青もみじが波打って
 いると、青嵐ってことばを実感するよ。
ーでもあまりにも生命ではちきれそうな景色を見ていると
 ふっと淋しさを感じない?何か自分だけ取り残されてるみたいで。
ーその感じわかる。自分だけ置いてけぼりをくっているような
 逆に自分だけこの生命の響宴からどこか遠くへ立ち去って
 行きたいような。
 芭蕉が奥の細道に旅立つとき
   行く春や鳥啼き魚の目は泪
 って詠んだのも、そういう感じなんじゃないかな。
ー私にとってその感覚っていうのは陽水の「5月の別れ」かな。
   風の言葉に諭されながら、別れゆくふたりが5月を歩く
 ってなんかすごくわかるよ。でも陽水は希望も残してくれてるんだよ。
   星の降る暗がりでレタスの芽がめばえて
   眠りから醒めながら夢をひとつだけ、あなたに叶えてくれる
 ってね。

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