2008年12月27日土曜日

年末の第九


—年末の第九狂騒曲もボチボチ終息だね。
—「狂騒」って年末の第九にネガティヴなわけ?
—ネガティヴってわけじゃないけど、ちょっと微妙かな。
 年の終わりに第九を聴いて一年を振り返るのは悪くない習慣だと
 思うし、財政事情の苦しいオーケストラにとって年越しのもち代を
 稼げるありがたい機会だからね。
—じゃ何が気にくわないのよ。
—12月、第九の演奏会が洪水のようにあって、どの演奏会も
 結構人がたくさん入るってのが、なんかちょっと変だなぁって…
 コンサート情報誌を数えた人がいて、今年の12月、日本全国で
 170回も第九コンサートがあるらしいんだよ。
 音楽って趣味の問題だから、人によって、時によって、
 聴きたい曲はバラバラなのが普通じゃないか?
—年末、第九で合唱するのが楽しみだって人が一杯いるし
 それを聴くのが楽しみって人もたくさんいるんだから。
 日本じゃみんなでお祭りみたいにするのが好きなんだよ。
 それに水を差すことないじゃない。
—ソレ、ソレ、第九の合唱だけスポットライトが当たって
 前の3楽章は前座みたいになってるのも悔しいんだよね。
 第三楽章アダージョはこの世で一番美しいアダージョだと思うし、
 合唱はもういいからこのアダージョで曲を終わりにして!
 って思うことだってあるよ。
—注文の多い聴き手だね。

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