2009年2月4日水曜日

春は来にけり


—立春って言うとよく出てくる歌があるじゃない。
 <年のうちに春は来にけりひととせをこぞとや言はむ
 今年とや言はむ>(在原元方)ってやつ。
—古今集巻頭の歌だね。
 まだ新しい年になってないのに来た春は去年といえばいいのか
 今年といえばいいのか、って理屈っぽいだけでなにがいいのか
 わからないな。
—そうかもしれないけど、でも面白いと思わない?
 新年というのは太陰暦の新年だよ。でも立春は夏至・冬至を
 基準にした太陽暦なんだから。
 平安時代の人は太陰暦と太陽暦、両方で季節を計って
 そのズレを楽しんでたってことだからね。
—なるほど、そう言われると新鮮だな。
 でもこの暦はもともと中国から入ってきたんだよね。
 どうして太陰暦と太陽暦を併用するようになったんだろ?
—太陰暦だけだと農作業に都合が悪いからよ。
 暦と季節が段々ずれてくるからね。
 きっと太陰暦と太陽暦の組み合わせで、今年はこうだから
 こうだって予想技術も発達しただろうし、季節感もすごく
 磨かれたんだろうね。
—1000年昔の人のほうが、季節感という点じゃ余程高度な
 感覚を持ってたってことだね。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

太陽暦と太陰暦といえば、中国人は誕生日もそれで覚えていると聴きますね。t月t日という誕生日に太陽暦と太陰暦があって、しかも太陰暦上の誕生日が今年は太陽暦ではg月g日だとか。合計3つあり得るわけで。そのたびに誕生日祝いをやると個人消費が盛り上がるという経済効果もあるし。
日本も恵方巻みたいに、創作イベントをもっと作って消費を増やす工夫もあってもいいかもね。